コンペティション結果

長編フィルム部門

金のコノハズク賞(グランプリ)

彦とベガ/監督:谷口未央

award taniguchi mio
18 hiko to bega

谷口未央監督受賞コメント
映画を撮り始めて、初めてグランプリをいただきました。しかもあいち国際女性映画祭で…。とても光栄です。自分にしか撮れない映画を作り、その映画を多くの観客の方に届けたい。でもそれは実際もの凄く難しい…。まだまだ遠い道のりですが、今回の受賞はその一歩であり大きな励みになりました。最後に『彦とベガ』に関わってくれた全ての方に心より感謝いたします。本当にありがとうございました。


木全純治映画祭ディレクター講評
認知症の妻が若いヘルパーに恋心を抱き、それに嫉妬する川津祐介の演技が逸品。原知佐子の大胆な演技を引き出した点も評価が高い。認知症になった主人公のきらめきを表現したストーリーは、介護職に従事する監督の強みになっている。

銀のコノハズク賞(準グランプリ)

I AM THE PEOPLE/監督:アナ・ルション

award Anna Roussillon

05 I AM THE PEOPLE


木全純治映画祭ディレクター講評
2011年に起こった「アラブの春」以降の激動の日々。カイロから離れた田舎に住む農民たちの複雑な感情は、ほとんど知らされることがない。荒れたテレビをじっと見入る彼らを捕らえた映像は、農民たちの本音を切り取っている。

短編フィルム部門

金のカキツバタ賞(グランプリ)

きつね憑き/監督:佐藤美代

award sato miyo
sf04 kitsunetsuki

佐藤美代監督受賞コメント
この度は名誉な賞を頂き大変嬉しいです。あいち国際女性映画祭は私にとって地元の映画祭で、昨年に別の作品を出品して準グランプリを受賞した際には、「期待を込めて」というお言葉をいただきました。今年もまたこの映画祭に参加できたことを光栄に思います。今後、愛知県とも繋がりを持ちながら制作をしていけたらというのが本望です。作品の評価は、多ければ多いほど、いつしかそれが期待となって自分のエネルギーに変わるので、より期待される作り手になれるよう頑張ります。


木全純治映画祭ディレクター講評
新美南吉の晩年の原作を、8分間のアニメーションに凝縮し、親の愛とは何かを明確に描いた点が評価できる。墨絵のようなアニメーションが、夜が暗く、迷信が生きている時代の雰囲気をよく表している。

銀のカキツバタ賞(準グランプリ)
観客賞

FRESH MINT/監督:吉田真由香

award Yoshida Mayuka

sf10 freshmint


木全純治映画祭ディレクター講評
妻を交通事故で亡くし、日々無為に生きる男と、母が日常的に不在の少女。少女のずかずかと男の心に入り込む動きと、男の慌てぶりがよく描かれている。中年男と少女という取り合わせの妙も評価が高い

銀のカキツバタ賞(準グランプリ)

笑門来福/監督:酒井麻衣

award Sakai Mai

sf06 shomonraifuku


木全純治映画祭ディレクター講評
仕事が忙しい、彼氏もいない日常に、突然姉が実家に戻り、不機嫌がますます募る有実。この前半のテンポが快調で、後半のファンタジーが生きている。閉鎖中の大須演芸場を逆手に取り、名古屋の芸人を効果的に登場させた点も評価できる。