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折鶴お千

サイレント/弁士:澤登翠/生演奏付

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  • 1935年/日本/90分
  • 監督:溝口健二
  • 出演:山田五十鈴、夏川大二郎
  • 弁士:澤登翠
  • ギター&三味線:湯浅ジョウイチ
    フルート:鈴木真紀子
  • 映像提供:マツダ映画社
  • 2月26日(火)12:35/ウィルホール
  • 上映終了後対談があります
    澤登翠×斉藤綾子(映画祭コーディネーター)
  • 1プログラム券(Lコード:43502)1日券(Lコード:43500
    13:00「ボトルシップ」とあわせて1プログラムです
    本作からの入場も可能です

溝口健二監督が泉鏡花「売色鴨南蛮」を原作に悲劇的ではあっても力強く生きる女を鮮やかに描き出したサイレント映画の傑作。代名詞とも言えるワンシーン・ワンカットの長回しに、当時としては斬新なフラッシュ・バックの手法が取り入れられている。弁士・澤登翠の名調子と生演奏付で上映。


oriduru2雨が降る神田万世橋駅のプラットホーム。停電故障の為足止めされた人々の中に、じっと遠くを見つめ、物思いに更ける一人の紳士の姿があった……。
神田明神の境内近く、二コライ堂の大屋根が見通せる路地裏に、〝古美術鑑定某―〟という看板が掛かった店がある。実はインチキ悪党連の溜まり場で、お千はそこの首領熊沢に喰い物にされ、悲惨な日々を過ごしながらも足抜け出来ずにいた。
そこには未だあどけない面影を残す宗吉も住込んでいた。大きな志を持って郷里を後にした宗吉であったが、秋深いのに単衣一枚で震え、冷遇を受けながら下働きをする。そんな宗吉をお千は何くれとなく面倒をみるのだった。
或る日、熊沢一味は僧侶の浮木から寺宝の軸物と本尊弥陀三尊を奪う計画を立て、巧みにお千を囮に使い、まんまと浮木を誑かしたのだった。宗吉はその分け前を貰うのだが、不浄の金を持ってはならないとお千に諭され、金を返そうとする。そして、遂に虐待に耐え兼ねた宗吉は、明神の森で剃刀自殺を図るのだが、間一髪のところでお千に救われた。
遂にお千と宗吉は一味から逃れる決心をし、熊沢を裏切って浮木を助けるのだった。二人は貧しい長屋に住み始め、お千の心尽くしで宗吉は夜学に通い始める。だが、次第に生活は困窮し、隣の老婆の勧めでお千は身を売って生活費を稼ぐようになっていた。やがてそれは警察の知る所となり、或る夜、お千は宗吉の目前で刑事に引かれて行くのであった。
歳月は流れ、万世橋駅のプラットホーム。今では立派な医師となった宗吉は、駅員に請われて急病人のもとへと向った・・・・・・。


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活動弁士 澤登翠

東京都出身。法政大学文学部哲学科卒業。故松田春翠門下。日本を代表する弁士として国内はもとよりフランス、アメリカ他の海外公演を通じて、“弁士”の存在をアピールし高い評価を得ている。「伝統話芸・活弁」の継承者として“活弁”を現代のエンターテインメントとして甦らせ文化庁芸術祭優秀賞他数々の賞を受賞している。適確な作品解釈による多彩な語り口でいままでに500本以上の様々なジャンルの無声映画の活弁を務めている。著書に「活動弁士 世界を駆ける」


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ギター&三味線 湯浅ジョウイチ

1987年東京国際映画祭でD・W・グリフィスの『国民の創生』の音楽制作・演奏を行って以来、無声映画用の楽団版音楽の復刻と制作に尽力している。楽団「カラード・モノトーン」を結成し、澤登翠や坂本頼光らの活動弁士とともに全国で公演。又、「ロックギタリストのためのJ・S・バッハ曲集」を出版している。ESPミュージカルアカデミー講師。


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フルート 鈴木真紀子

桐朋学園大学音楽学部卒。フルートを峰岸壮一氏に師事。1994年オーストリアとスイスで国際フルートセミナーに参加、ファイナルコンサートに出演。現在、楽団「カラード・モノトーン」や芹洋子のアコースティックバンドのメンバーとして活動。順天堂大学交響楽団の木管トレーナー、東洋英和女学院フルート講師。


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斉藤綾子(あいち国際女性映画祭コーディネーター)

明治学院大学文学部芸術学科教授。専門は映画理論、特に精神分析理論、フェミニズム理論、ハリウッド映画論、女性映 画論など。編著に「映画と身体/性」、共編著に「映画女優 若尾文子」「男たちの絆、アジア映画」、共著に「映画の政治学」「ファスビンダー」「吉田喜重の全体像」「ヴィジュアル・クリティシズム」「戦う女たち」など。