新着情報

  • カテゴリトップ
  • » 9月2日 「星の国から孫ふたり〜自閉症児の贈りもの」槙坪夛津子監督と原作者の門野晴子さんのゲストトーク

9月2日 「星の国から孫ふたり〜自閉症児の贈りもの」槙坪夛津子監督と原作者の門野晴子さんのゲストトーク

2009/09/02


「星の国から孫ふたり〜自閉症児の贈りもの」は、槙坪夛津子監督のあいち国際女性映画祭出品3作目です。上映前の舞台あいさつには上野楓恋さん(子役)、上映後のゲストトークには原作者の門野晴子さんも参加。ゲストトークでは、自閉症児との接し方や自閉症児を支えていく社会のあり方について、意見や質問が出ました。

Q 映画制作のきっかけはなんだったのでしょうか?

槙坪監督 あいち国際女性映画祭の出品作品でもある『老親』の原作者門野晴子さんから、2005年に「こんな本を書いたの」という報告をいただきました。この本を読んでみて、びっくりしました。初めて、自閉症(オーティズム)の大変さを知りました。自閉症児は24時間多動で、本当に目が離せないんです。それにもかかわらず、「コミュニーケーションが大変なの」と楽しそうに話す門野さんを見ましたが、この映画を撮ろうとすぐに思ったわけではありません。しかし、門野さんの「映像って、映画って、すごく伝える力を持っているんだよ」という言葉から、映画にしてみたらどうなるだろうと思ったのが、この映画をつくったきっかけです。

Q 原作者の門野晴子さんに、この本を通して伝えたかったことは何でしょう?
門野さん どうしても訴えたかったことは、「早期発見、早期療育」の重要性です。早期発見、早期療育をすれば、普通の市民生活を送れるようになります。自閉症児は7〜8歳がピークなんです。以降は療育を受けていても、スローダウンなんです。成長すれば、パニックが起こりにくくなったり、コミュニケーションがある程度できるようになったりしますが、実はそれは表面だけのことです。だからこそ、早期発見、早期療育が重要になります。また、欧米では早期発見、早期療育によって子どもたちが自立して育っているという実情があるので、早ければ早いほどいいと言えます。

Q 親友の子どもがアスペルガーの診断を受けました。私がそばにいて何をしてあげられるのか知りたくてこの映画を見ました。友人はその診断でとてもショックを受けていました。

槙坪監督 映画の台詞にもありますが、「ただ愛すること、信頼してもらえるような関係を築くこと、無条件にかわいがり、愛すること」これは、誰にでもできることですが、とても難しいことです。日々、ふれあいながら伝え、かわいがりながら根気よく療育することが一番大切なことだと思います。

門野さん 私の子どもはふたりの自閉症児を抱える親ですが、だからといって泣いたことはありません。日本の親たちは、個々人の支えあいにより頑張っているので感心しますが、アメリカの状況と比較してみれば、日本での社会保障のありかたに悔しさを感じます。アメリカではただ同じバスに乗り合わせた人が、「こんなハンサムに生まれてきてくれたんだから、オーティズムくらいたいしたことないよ」といってくれるほど、社会的な意識が高いんです。 

Q 発達障害児をもつ親御さんに対する門野晴子さんからの言葉
門野さん 日本には受け皿がないので、自閉症児を育てていくのが大変だということはよく分かります。でも、子どもの前では絶対泣いちゃだめ!子どもは本当に敏感だから、なるべく笑って生きるようにしないと伝わっちゃう。親が頑張るしかない状況でつらいのは分かるけれども、必ず子どもは恩返しをしてくれ、生きがいとなってくれます。だから、とにかく笑って、見栄張って笑って生きていきましょう!

 槙坪監督は、「原作者に見られるのが一番怖い」とおっしゃっていましたが、門野さんの監督に対する「どうもお疲れ様」「いい映画をつくってくれてありがとう」という言葉から始まったゲストトーク。当事者となって苦しんでいる方もみえ、力強い槙坪監督、門野さんの言葉から、元気をいただいたゲストトークとなりました。

(是澤)