メインプログラム
日本初公開作品8本を含む世界的に活躍する新進気鋭の女性映画監督作品17本と特別上映1本を特集上映。


プロンプター(原題)
9月6日(水)10:00/ウィルホール
9月9日(土)14:10/豊田市
[日本初公開作品]監督来場予定
英題/The Prompter
ノルウェー/1999年/カラー/97分
監督・脚本:ハイデ・ヘイアー
出演:へーゲ・スコイエン、スヴェン・ノルディーン
配給:アルシネテラン
オペラのプロンプターを務めるヒロインのスィーヴは、いつも華やかな舞台の床下の小さな箱の中が仕事場。プロンプターの仕事場同様、狭い場所を好み、大きな家の屋根裏部屋に住む。そんなスィーヴは、本人も気づかないうちに、仕事も家庭も恋も狭い意識の中に閉じこもっている。子持ちの男と結婚し、自分の生き方に疑問を持ったスィーヴ。家庭と仕事のストレスがたまった彼女がとった行動とは…。自分の殻を打ち破り、新しい世界に飛び出していくヒロインが共感を呼ぶ。


パロミタ
9月6日(水)13:30/ウィルホール
9月9日(土)10:00・14:00/長久手町
[日本初公開作品]監督来場予定
原題/PAROMITAR EK DIN
インド/1999年/カラー/132分
監督・脚本・出演:アパルナ・セン
出演:リトゥパルラ・セングプタ
カルカッタの中流階級である二人の女性の心の絆を描いた秀作。パロミタは若くして結婚するが、夫は酒癖が悪く、夫婦仲はうまく行かない。しかし、パロミタは義母と心を通わせていく。やがて子供が生まれるが、その子は病気を持っていた。夫はより一層パロミタに辛くあたるようになるが、義母との絆はより強いものになっていく。子供が死に、夫婦の間は壊れていくが、パロミタと義母は義理の親子という関係を越えて、変わらぬ友情が育まれていった。


アム・アイ・ビューティフル?
9月6日(水)19:00/ウィルホール
[愛知初公開作品]
英題/Am I Beautiful?
ドイツ/1998年/カラー/116分
監督: ドーリス・デリエ
脚本:ドーリス・デリエ、ロルフ・バーゼドウ、ルート・シュタットラー
出演:フランカ・ポテンテ、シュテフェン・ヴィンク、アニカ・ドブラ
配給:エスパース・サロウ
本当の自分をさらけ出すのが怖くて自分自身を偽り、さらに嘘を重ねてしまうリンダ。愛する人を失い、留守番電話のメッセージの声を聞くためだけに何度も電話してしまうエルケ。大切な人の死を現実として受け入れられずにいつまでも悲しみにふける老人…。新しい出会いで止まっていた日常が次第に「光」を取り戻していく、喪失と再生の物語。綺麗な人生なんてどこにもない。それでも「私って綺麗に生きてるかな」と自らに問いかけながら生きていくことを教えてくれる元気になる作品。


ワン・アンド・オンリー
9月7日(木)10:00/ウィルホール
9月9日(土)13:30/安城市
[日本初公開作品]監督来場予定
原題/Den eneste ene
デンマーク/1999年/カラー/100分
監督:スサンネ・ビーア
脚本:キム・エオプス・オーカソン
出演:シスト・バベット・クヌーセン、ニルス・オールセン
イタリア人の夫を持つスゥスは、エステシャンの仕事を続けたいが、子供を欲しがる夫に負けて妊娠する。キッチン業者のニラー夫婦には子供が無く、アフリカから養子を迎えたばかり。ニラーはスゥスの家にキッチンを取付けに来る。幸せの絶頂のはずのスゥスとニラーにふりかかる災難。二組のカップルが子供を持つようになることによって起こる様々な出来事が悲しくもおかしく描かれている。新人女優シーゼの魅力たっぷりのロマンティク・コメディ。


さよならイスタンブール
9月7日(木)13:30/ウィルホール
9月10日(日)13:30/幸田町
[日本初公開作品]監督来場予定
原題/The Split
トルコ、アイスランド/1999年/カラー/90分
監督・脚本:ジャーナン・ゲレデ
出演:ベンヌ・ゲレデ、マーヒル・ギュンシライ
アイスランド人ソルとトルコ人ハリルは愛し合い、結婚するが、やがて破局を迎える。娘たちは最初は母親の下で育てられるが、トルコに戻るハリルに一時的に預けられる。ハリルは厳粛なイスラム教のもとで二人の娘を育てる。やがてソルが娘達を引き取ろうとするが、ハリルは頑としてゆずらない。二人の娘の親権を巡り、裁判となるが、娘たちの選択した結果とは…。全く異なった宗教や文化を背景に、親のあり方を問う。


恋文
9月7日(木)16:30/ウィルホール
[特別上映]
日本/1953年/モノクロ /96分
監督:田中絹代
出演:森雅之、久我美子
協力:東京国立近代美術館フィルムセンター
写真提供:国際放映
戦後間もない東京、外国人相手の娼婦たちの手紙を代筆する英文ラブレター代筆屋があり、そこは恋文横丁と呼ばれた。代筆屋の男と、彼を取り巻く女たち。そこへ昔愛した女性が現れる…。裏切られた思いをぶつける男に対し、女はそっと去っていく。彼女の過去を知り、友人達は再び二人をめぐり合わせようとする。丹羽文雄の同名小説の映画化。日本映画監督協会初の女性会員となった田中絹代監督のデビュー作。


ウーマン・オン・トップ
9月7日(木)19:00/ウィルホール
[日本初公開作品]
原題/Woman on top
アメリカ/1999年/カラー/83分
監督: フィナ・トレス
出演:ペネロペ・クルス、ムリロ・ベニチオ、ハロルド・ペリノー
配給:20世紀フォックス
イザベラは料理の才能には恵まれているが、恋人には恵まれない。夫の浮気に嫌気がさした彼女はブラジルから一転サンフランシスコに住む親友のところへ転がり込む。新天地で料理の腕前を活かして自分の料理番組まで持つようになった彼女には新しい恋も芽生えるが、未練たっぷりの夫が彼女の前に現れる。ブラジル・テイストと愛情と料理にあふれた情熱的なロマンティック・コメディー。今が旬のペネロペ・クルスの魅力がいっぱい。


セット・ミー・フリー
9月8日(金)10:00/ウィルホール
9月10日(日)13:30/犬山市
[日本初公開作品]ゲスト来場予定
原題/Emporte-moi
カナダ、スイス、フランス/1999年/カラー/94分
監督・脚本:レア・プール
出演:カリーヌ・ヴァナス、ミキ・マノジョヴィク
13歳のハンナは、カトリックの母親とユダヤ系移民の父親へ愛憎の感情を持っている。詩人の父親は、経済的にも心情的にも家族の大きな重荷になっている。昼間は悪条件の工場で働き、夜は父親の作品をタイプするという毎日をおくる母を見て、ハンナは人生の意味や自分自身を見つけることに必死になっていく。カトリック系の女子学校で疎外感を感じているハンナは、やがて映画に興味を惹かれていく…。単に少女の成長の記録だけでなく、女性芸術家のポートレイトでもある感動作。


続「住民が選択した町の福祉」 問題は これから です
9月8日(金)13:30/ウィルホール
監督来場予定
日本/1999年/カラー/125分
監督:羽田澄子
製作:工藤充
配給:自由工房
あいち国際女性映画祭'97でも上映した「住民が選択した町の福祉」の続編。福祉を公約にかかげて当選した若い町長が住民に呼びかけて作ったワーキンググループの活動に支えられて町の福祉が変わっていく姿を描いた前作。議会を通過したケアタウン構想は住民の積極的な参加とともに形になっていく。本作ではその後の町長の考え、議会や議員の対応、住民の活動、そして「ケアタウンたかのす」が機能するまでを追っている。


LOVE/JUICE
[愛知初公開作品]監督来場予定
9月8日(金)16:00/大会議室
日本/2000 年/カラー/78分
監督・脚本:新藤 風
出演:奥野ミカ、藤村ちか、永澤俊矢、西島秀俊
製作:つんくタウンFILMS
ノーマルの女の子と同性愛者の女の子。真っ赤な一軒家でその日暮らしをするふたりの微妙に変化していく関係を描いた「つんくタウンFILM」第3弾。巨匠・新藤兼人監督の孫娘でもある新藤風の初監督作品。
オーライ
[愛知初公開作品]監督来場予定
9月8日(金)17:30/大会議室
日本/2000 年/カラー/75分
監督・脚本:安田真奈
出演:三嶋幸恵、前田晃男、六車奈々
製作:関西テレビ放送
普通の会社員をしながらも年に1〜2本作品を撮りつづけ、その多くが各映画祭で入賞している映像作家、安田真奈の初16ミリ作品。差出人のわからないハガキを追って結は高校時代の同級生と忘れていた言葉と感情を探す奇妙な冒険に出る。


新しい肌
[愛知初公開作品]
9月8日(金)19:00/ウィルホール
原題/Peau Neuve
フランス/1999年/カラー/96分
監督:エミリ・ドゥルーズ
脚本:エミリ・ドゥルーズ、ロラン・ギヨ、ギイ・ロラン
出演:サミュエル・ル・ビアン、マルシアル・ディ・フォンゾ・ボ
協力:ユニフランス・フィルム・インターナショナル
アランは30歳。ゲームソフトの仕事をし、妻と娘と平穏な毎日を送っている。しかし、マンネリに耐えがたく、ある日突然、仕事をやめ、職業訓練所に入ってしまう。訓練所でさまざまな人と出会い、週末だけ家族とともに過ごす。そんな折、メカ好きの青年マヌーに会い、ある決心をする。これまでと全く違う生活をして新しい自分を見つけたい−誰もが一度は思う願望を、いきいきと描いたエミリ・ドゥルーズの初監督作品。99年カンヌ映画祭国際映画批評家連盟賞受賞作品。


伝説の舞姫 崔承喜-金梅子が追う民族の心
[愛知初公開作品]監督来場予定
9月9日(土)10:00/ウィルホール
日本/2000年/カラー/90分
監督・脚本:藤原智子
出演:金梅子
製作:崔承喜の映画を作る会、日本映画新社
配給:岩波ホール
戦前の日本でモダンダンスを学び、朝鮮の舞踊を巧みに取り入れ、世界を魅了した美貌のダンサー崔承喜。全世界から「世紀の舞姫」とうたわれた崔承喜は、戦後北朝鮮に渡り、一時は舞台活動や舞踊の指導で活躍したが、60年代の半ば以降、その消息はわからないままである。この作品は韓国舞踊界の第一人者で、国際的に舞台活動をしている金梅子さんが崔承喜の足跡を訪ね、韓国舞踊の更なる発展の契機となる姿を追っている。


グウィネヴィア(原題)
[日本初公開作品]
9月9日(土)13:30/ウィルホール
原題/Guinevere
アメリカ/1998年/カラー/104分
監督・脚本:オードリー・ウェルス
出演:サラ・ポーリー、スティーブン・レイ
配給:KUZUIエンタープライズ
ハーパーは何不自由なく育てられ、先のレールもひかれた自分の人生からの抜け道を探していた。そんなとき30歳も年上の男性コニーに出会い、惹かれていく。コニーはアーティストになるようハーパーを教育し、やがてハーパーは自分の人生を歩みだす…。この作品は単に「若い女性と年上の男性の恋物語」を描いたものに終わっていない。彼との関係から抜け出したあとで、彼女は人間的に豊かに成長し、様々な経験を積んでより魅力的な女性になっていく、一人の女性の成長の物語なのです。


シャドウ・ボクサー
[日本初公開作品]
9月9日(土)16:30/ウィルホール
原題/Shadow Boxers
アメリカ/1999年/カラー/72分
監督:カーチャ・バンコスキー
出演:ルシア・レイカー
何人かの女性ボクサーを取材しながら、最近のチャンピオンであるルシア・レイカーに焦点を当てたドキュメンタリー。ルシアはアムステルダムで生まれ育ち、12歳でキック・ボクシングをはじめ、16歳で初タイトル獲得。ワールド・チャンピオンになった後、1994年LAに移り、プロとしてのトレーニングをはじめた。1996年のデビューから、彼女は観客から熱狂的な支持を得る。彼女の世界チャンピオンになるまでの練習の様子や私生活を追った迫力ある映像が素晴らしい。


ラットキャッチャー(原題)
[愛知初公開作品]
9月9日(土)19:00/ウィルホール
英題/The Ratcatcher
イギリス/1999年/カラー/93分
監督・脚本:リン・ラムジー
出演:ウィリアム・イーディー、トミー・フラナガン、マンディー・マシューズ
配給:オンリー・ハーツ
70年代半ば、スコットランド南西部グラスゴーに住む12歳の少年の物語。誰にもいえない秘密を抱えたジェイムズは、家族の輪から孤立し、自分だけの世界を作るようになる。やがて多感な少女マーガレット・アンやピュアな心をもったケニーとの友情を深める。貧困家庭の少年の夢と絶望を描いた本作品は、1999年カンヌ映画祭ある視点部門に出品されたほか、さまざまな国際映画祭で絶賛された新鋭女性監督リン・ラムジーのデビュー作。


老親 ろうしん
[愛知初公開作品]監督・萬田久子来場予定 日本語字幕付
9月10日(日)10:00/ウィルホール
日本/2000年/カラー/ 110分
企画・製作・監督:槙坪夛鶴子
脚本:原田佳夏
出演:萬田久子、小林桂樹、草笛光子、米倉斉加年、榎木孝明、岡本綾
配給:企画制作パオ、「老親」製作委員会
岩波ホール 10月14日(土)よりロードショー
「家」や「嫁」から開放されたいと思う成子は離婚して、子供とともに東京で自立の道を歩みだす。そこへ他人となったはずの舅が「ただいま」と現れ…いつのまにか奇妙な共同生活が始まった。元舅は何もできなかったはずなのに、一家の主夫に大変身。やがてその舅も去るが、今度は寝たきりの実母を引き取る羽目になり…。介護される立場、する立場、支える立場、各々がその人らしく生き抜くための前向きな元気の出る介護もの。原作は門野晴子の『老親を捨てられますか』『寝たきり婆あ猛語録』。


ボクとママとおまわりさん
[愛知初公開作品]監督来場予定 声優さんの吹き替え上映(英字幕付)
9月9日(土)10:30/豊田市
9月10日(日)13:30/ウィルホール
原題/TSATSIKI,morsan och polisen
スウェーデン、ノルウェー、デンマーク/1999年/カラー/90分
監督:エラ・レムハーゲン
出演:サミュエル・ハース、アレクサンドラ・ラパポート
ライブパフォーマンス:代々木アニメーション学院
チャッキはロックバンドのギタリストのママと二人暮し。ギリシャにいる漁師の父親に一度でいいから会いたいと思って、潜水の練習をするのが楽しみだ。チャッキが溺れていると勘違いして助けてくれた警官はママに一目ぼれ。かくして警官のアタックが始まったが、今のママには恋人がいる。そしてやっとギリシャにいく日がやってきた。チャッキはパパと会うことができるのだろうか…。マコーレー・カルキン似の少年がかわいい、子供の目から見た日常生活。若い母親のガッツもたくましい。




各ページに掲載されている写真および記事の無断転載を禁じます。